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インドの「今」を通り抜ける

2009/04/29


IT大国インドを象徴するような、近代的なオフィスでぱりっとしたワイシャツに身を包んだビジネスマンが携帯片手に仕事をする。
ブランドショップが建ち並ぶ通りを闊歩するのは、サリー姿ではなくスカートやジーンズをはいた女性たち。
ものすごいスピードで変化しつつあるインドの「今」をいちばんわかりやすく体感できる街、それがバンガロールに漠然と抱いていたイメージだった。
実際はどんなことになっているのか、見てみたい。
という興味も当然あるにはあるが、じつはバンガロールを訪れた最大の目的は駐在中の知人宅におじゃましてどんな暮らしをしているかを拝見しつつ、お宅の一室を借りてお世話になってしまおう、というものだった。


バンガロール郊外にあるそのお宅までは、車で約1時間の距離だという。
オートリキシャーを使うと結構な金額がかかりそうなので端からバスで向かうつもりだったが、駅前にあるバスターミナルの規模が大きすぎるのと、行き先表示があまりにたくさんあるのに圧倒されてしまい、しばし茫然となる。
誰かに聞かなきゃと思っても、人が多すぎてバスの車掌はなかなか見つけられないし、人混みをかきわけて前へ進むのですら四苦八苦する。
それでもなんとか乗るべきバスを見つけて乗車し、無事に待ち合わせ場所で下車して知人と落ち合うことができた。
それにしてもバンガロールのバスはバラエティに富んでいる。
同じ目的地に向かうにしても、エアコンの効いたゆったりシートを有するものもあれば、インドの至るところで見かけるローカル色たっぷりの、2人掛に3人仲良く座るようなものもあって、価格も違えば客層もがらりと変わるので面白い。

お宅に到着すると、普段は日本で暮らす奥様と1歳前の娘さんがお出迎え。
久々に家族水入らずで過ごせる機会なのに、いやいや申し訳ないと思いながらも、たっぷりのビールやら心の奥底から望んでいた日本食やらをたらふくごちそうになり、あたたかいシャワーに、寝心地のよいベッドに、いつでも接続オーケーのネット環境と、至れり尽くせりのおもてなしにすっかり甘えてしまう。
しかも、専属ドライバーといっしょに好きなところへどうぞ行ってくださいという、これまたありがたい提案まで。
ならばいかにもバンガロールらしいところへということで、IT企業の集合体である近代的工業団地のひとつ、ITPL(インターナショナル・テック・パーク)、そしてインド最大級のラールバーグ植物園に連れていってもらうことにした。
エアコンのよく効いた車に乗って渋滞に巻き込まれながらのろのろ走っていると、周囲にはガラスをふんだんに用いたいかにも最先端、という佇まいのビルが見えてくる。
今まであまり見かけなかった光景に気を取られているうちにひときわ立派な建物に近づいてきていて、これがITPLだという。
入口では何人もの警備員が待機していて、徒歩で、バイクで、車で通勤する人すべてのIDをチェック。
肩からぶら下がったごつい銃におののきながら車は中へと進入し、ドライバーが降りていって窓口で何かを話している。
戻ってきた彼がちょっぴり困ったように「Big problem…」と言いかけたが、その理由を聞く間もなく車を降りることになり、ドライバーは外で待っているからという言葉を残して走り去ってしまった。
いったい何が問題なのか。そして、許可証も持たずにぶらついて大丈夫なのか。
突っ立っていてもどうしようもないから、落ち着かない気分のまま散策を開始。
ビルは5棟から成っていて、地下にはさまざまな銀行のATMやおなじみのファストフード店の看板が掲げられている。
この敷地内にはゲストハウスや病院、ジムなども完備されているそうなので、平日ならここから出なくても問題なく過ごせるかもしれない。
すれ違う人のうち、男性はイメージ通りといった出で立ちだったが、意外なことに女性は洋服を着た人よりもはるかにサルワール・カミーズ(ワンピース・パンツ・ショールから成るインドの代表的な衣装)着用が多かった。
そんな女性とモダンなビル群の対比を写真に収めたいと思っても、要所要所に警備員が銃を抱えて立っているので、カメラを出すのも気が引ける。
ずっと見張られている気がして生きた心地がしないので、出口へ向かうとやっぱり待機している警備員。
何事もなく出られますようにと願っていたにもかかわらず、「すみません」と声をかけられあたふたする我々。
見学に来ていて外にはドライバーが待っているんだ、と必死で話すと、ほかの警備員から出してやれと言わんばかりの合図をされて無事脱出することができた。
ドライバーには「もう戻ってきたの?」と見学時間の短さに驚かれたようだったけれど、一瞬でも自分の目で確かめられたからよかったということで、次はラールバーグ植物園へ。

通勤ラッシュはとっくに終わっているはずなのに、一向に解消されない交通渋滞。
でもその事情を熟知したドライバーが脇道抜け道を駆使してくれたおかげで、イライラすることなく乗っていられた。
東京ドーム約20個分の広さ(96ヘクタール)を誇る植物園は家族連れやカップルに人気のようで、平日なのに結構な数の人が訪れていた。
きちんと刈り込まれた芝生を通り過ぎて奥へ進むと、超高齢と思われる極太の幹の木がとてつもない存在感を放ってじっと立っていて、見渡してみればそんな長老の木があっちにもこっちにもある。

そして、ここでいちばんのお気に入りスポットとなったのは、コンテンポラリーアートに匹敵するほどの不思議な造形美を見せてくれたトピアリー・ガーデン。
一応は鉄製の動物や乗り物の型通りに仕立て上げたかった形跡が見られるものの、どこで方向転換を図ったのか、今ではこんなのびのびとしたラインの踊る立体作品のオンパレードになってしまっている。

その後はドライバーと別れて、オシャレなショップの立ち並ぶMGロード周辺のショップやショッピングモール巡りを楽しんでからバスに乗って戻る。
乗り間違いあり、乗り換えありで、結局4回も乗り継いでようやく帰宅となった。
いやはや、行きのお任せコースのときとは比べものにならない、このくたくたぶり……。

さて、知人宅の周辺には駐在でやってきている外国人だけでなく、インド人の姿も多い。
経済発展のおかげで暮らしぶりが向上した人が増えたのかと思ったら、海外で長く暮らしていたインド人が、景気が上がり調子なのに加えてインフラが整ってきたから引っ越してくる、というパターンが多いのだそうだ。

また、気候が穏やかなバンガロールはインド内でも駐在員には暮らしやすいと評判で、デリーやムンバイで暮らした経験のある人に言わせれば、それはもう比較にならないほど恵まれた地なのだという。
こんな知らなかった駐在ウラ話を聞けたのも、バンガロールでの収穫のひとつである。


■ お知らせ ■
中南米へ旅立つ前、参考になるものはないかと探していたときに見つけて、それ以降チェックしていたサイト「my soul my heart」。
一足先に中南米を回り始めていたので実際に会う機会はないだろうと思っていたのに、アルゼンチンはエル・カラファテの宿でばったり会ったトントンは、キューバでカメラを盗まれるという災難にもめげず、途中でもらったデジカメを駆使してサイトに写真を掲載し続けた。その集大成が写真集として発売されたという、うれしいニュースが舞い込んできた。
タイトルは「世界一周」。
ずばりそのままだ(笑)。
さっそくアマゾンのウィッシュリストに追加したが、まだ実物を見ていないため、アマゾンに載っていた紹介文を転載。

ここではない何処かへ—-
見知らぬ場所で、笑顔と出会う。世界と出会う。人生と出会う。
アメリカ、中南米、アフリカ、中東、アジア。2年間に及ぶ世界一周旅行の写真が貴方に世界を見せる。
アルファポリスアート大賞・大賞受賞作。


世界一周
有園 麻美


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2009.4.21 バンガロール / Bangalore

Join the discussion 5 Comments

  • トントン より:

    うわー。
    本紹介してくれてありがとーー!!!
    とってもうれしいです!
    インドの旅楽しそうだねー
    読んでると私もまたインドに行きたくなる!いいな!

  • かな子 より:

    ■トントン
    いえいえ、ステキなものができたみたいで、帰国してから実物を手にとるのが楽しみです。
    本当はちゃんと中身を見てからご紹介できればよかったんだけどね。
    最近のトントンのブログを見ていると、本当に充実しているのが伝わってくるよ。
    世界を回ったからこそ、より充実した人生を送れている感じがする!

  • お二人さん
    元気なようですね。
    インドで逢おうねなんて言ってたのにどうも行き先がタイのバンコックになりそうです、想い出します、スミが犬に噛みつかれて、お母上が、「狂犬病は助からないらしい」とオロオロした現場はバンコックじゃあなかったかな?
    私がインドに行くつもりだったのに、取引先のインドの会社が私にことわりもなくバンコックに工場を創ってしまってそこで会議をしようなんて言って来たんです、インドカレーを食べるつもりが、タイのグリーンカレーに化けてしまうとは・・・、
    しょうがないですね。宮仕えの身ですから。でも、いつまでお二人さんがインドにいるかによっては私だってまたインドに行くチャンスはありますよ。だから、わたしだけに気ままなお二人さんが行く先を教えてくれないとこちらのスケジュールが立てられないんです。そちらもこちらも根無し草。それも良いですね。では、ご機嫌よう!

  • 匿名 より:

    ちょっと覗かないでいたら、ぐんぐん旅は先に・・・。
    トピアリーは英国ガーデニング文化の影響でしょうか。象や仏陀のトピアリーはないのかな?
    それにしても、そんなに広いとまわりきれないんじゃ・・・と思ってしまいます~。

  • かな子 より:

    ■ポンチのお父さん
    インドで再会、なんて面白そうだったのですが、インド行きがしばらくなさそうなのは残念です。
    ちなみに、途中でコインバトールを経由しましたが、バスの乗換のみだったので10分ほどのみ。
    かなり大きな街ですね。
    また再会のチャンスが出てきそうでしたら、ぜひお知らせくださいね!
    ■No nameさん(chokiさん、かな?)
    ずばりその通りです。
    英国風の庭園をつくろう! というところがスタートだったようです。
    ゾウはあってもおかしくない(というか、もしかしたらあったかも)ですが、仏教徒がほぼいないに等しいインドでは、ブッダはあまりメジャーな存在ではないようです。
    仏教発祥の地なのに、不思議な話ですよね。