インドの千変万化

2010/10/04


先日実家に行った際、2000年にインドを旅したときのアルバムを見つけて久しぶりに中を開く。
そこには、昨年インドを訪れたときとはずいぶん違う情景があった。


昨年の渡印は9年ぶりの訪問だった。
それ以前は1997年と2000年に行ったが、
そのことを知る人からは「インドもずいぶん変わったんじゃない?」と聞かれたものだ。
そのとき、いちばん変わったと感じたのは携帯電話の普及ぶり。
2000年のときに携帯を使っている人を見た記憶はなかったのに、
今や6億回線を越える契約数で、ふたりにひとりは持っている具合だ。
携帯はmp3プレーヤーとしても使われていて、ところ構わずスピーカーから自分の好きな音楽を流すという調子。
路上ではクラクションが常に鳴りっぱなしのお国柄ゆえ、大きな音に対する免疫があるのか、
列車内で深夜・早朝でもお構いなしで大音量をかけ続けるのにはほとほと困った。

お次はチャイのカップ。
以前は素焼きのカップで出してくれるところが多かったけれど、
今や路上で買ってもプラスチックのカップに入れてくるところがほとんど。
飲むほうからすれば、熱くて持ちづらく、路上に捨てても土に還らないプラカップよりも、
独特の味わいを持つ素焼きのカップのほうが、飲んだ後に割る楽しみもあってよかった。
しかし、持ち運びにも軽く、かさばらず、壊れず、なおかつ安価とくれば移行するのも自然の流れと言えよう。
今回、数少ない素焼きのカップに出会うチャンスがあったが、
そのうちこれにお目にかかることもないかもと思うと、飲んだ後に割るのが惜しくて、
結局キレイに洗って自分たちへの土産として持ち帰ってきてしまった。

気になった大きな変化はこの2点で、それ以外の、いわゆるインドらしさは根本的に変わっていないように思った。
だけど、アルバムの中にあった写真を見たらこんなところにも変化があったんだと気づく。
場所はインド最南端の街、カニャークマリ。
まずは昨年の写真。

写っているのは、日本にあってもまったく違和感のない船。
対して2000年、カニャークマリではこんな船を使っていた。


ずいぶんと素朴なつくり。これを動かしていたなんて、今ではちょっと考えられない。
いや、この時点でも相当驚いたのだろう、ほかにもこの船の写真を何枚か撮っていたほどだから。
今ではもう見ることのない光景に少々の寂しさを感じつつ、インドに限らず世界はどんどん変わっているのだから、そのときどきでしか味わえないその国の「日常」を楽しむことが旅なのかも、と思う。
それでも、海から昇る朝日や夕日を神妙な面持ちで見つめる面々は、今も昔も変わっていなかった。



自分でもすっかり忘れていたところに意外な変化が潜んでいたインド。
案外身近なものに目を向けると、こういう違いがポロポロ出てくるに違いない。
つまりは、また何年後かに再訪して確かめたほうがいいということか。
でもまだ訪れたことのない国へも行きたいし……、と悩みは尽きない。
2010.10.4

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  • futoshi より:

    まったくの同感です!!
    僕の初インドは1998、そして翌年の1999に再訪。そして今回が約10年ぶりのインド。驚いたのはやっぱり携帯電話。リキシャワラーからとにかくみんな持っているような感じ。でも、ほとんどは音楽プレイヤーとして使っていて、CIMカードは持っていなかったりで電話として使っている人は少ない(笑)それでもカメラ機能は使えたりするから、インド人のデジタル好き国民性とあいまって爆発的に広がったのかな~と。
    あとは、外国人が行くような観光地はやっぱり少しずつ開発が進んできていますね。
    10年前はインドに洒落たとこなんてなかったけど、今は結構あるし、値段もそれなりになってきてたり。
    それでも、インドは変わらない(笑)
    やっぱりそこが魅力なんだと思います!!
    汚かったり、牛だらけだったりしても
    インドに来るとなぜか許せてしまう。
    ホントに不思議な国ですね、インド。

  • スミサト より:

    ■futoshiくん
    やっぱり同じこと思ったんだねー。
    携帯凄いよね、女性がスマートフォン使ってたりするのもビックリだったなー。
    バンガロールの変化は凄いと思ったな、前から大きな街だったけれど、あそこまでは大きくなかった。
    洒落た所、たしかにそうかも!
    コチとか凄くお洒落だったもんなー。あとはコーヒーチェーンとかもビックリだよね。
    でも、やっぱり変わっていないなって感じさせてくれるのが、またイイんだよね。
    来年?再来年?のインドレポート、楽しみにしているよ。(笑)

  • せいこ より:

    うんうん、私も同感です。
    去年のインドで一番びっくりしたのはデリーの地下鉄!
    でもバラナシの変わらなさとか見てると、本質的にはインドはインドだなーというか。
    そして、ずっとそのままであってほしいって思うけど、旅人の勝手ですよね(笑)

  • スミサト より:

    ■せいこちゃん
    デリーの地下鉄はピカピカだったねー、あれは先進国と変わらないレベル。
    オールドデリー方面から戻るのも、コンノートプレイスから戻るのも楽だったなー。
    あれがもうすぐ空港につながるんだよね、空港で待ち構えているボッタクリ業者が一気に職を失うかも?(笑)
    でも本質はずーっと変わらないように思えるのもインドのいいところだと思う。
    また何年後かに行っても絶対に楽しい国だよね。

  • 霧のまち より:

    私も 昨年のインド一人旅で チャイのカップが
    変化してるのに 少し寂しかったです。
    薄いプラスティックがほとんどでした。
    前は 素焼きで…何だか味まで違いますよね。

  • スミサト より:

    ■霧のまちさん
    ちょっと残念ですよね。
    素焼きのは、暫くすると土の味が混じってきましたよね。
    プラスティックは、なんだか悪い成分が溶けてきやしないか心配になったりもしました。