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笑い声が響く、最南端の聖なる海

2009/05/12


インドの最南端にようやく到達。
日本を出てから約2カ月、デリーからスタートしたインドの旅の、一応の折り返し地点となるここカニャークマリは、ベンガル湾とインド洋、アラビア海の3つの海がぶつかる場所で、聖地として知られている。
この海で沐浴し、朝日と夕日を拝もうとインド各地からこの最果ての地へやってくるというから、どんなに厳かな雰囲気に満ちたところかと思っていたら、海岸にはさまざまな露店とたくさんの人がひしめき合って縁日のようににぎわい、海のほうからはキャーキャーとひっきりなしに笑い声が聞こえる。
インドには数多くの聖地があって、実際そのいくつかを訪れたことはあるけれど、こんなに楽しげな沐浴シーンを目の当たりにしたのはさすがに初めてだ。


さらに意外だったのは、海の見える場所に何軒もの高級そうなホテルが並んでいたこと。
菜食をよしとするヒンズー教の聖地なのに肉も魚も提供するレストランを併設し、いくらなんでもアルコールはご法度だろうと思いきや、バー完備のところまである。
ここは聖地としてというよりバカンスを過ごすために、という意味合いも強いのだろうか。
試しにそのうちの1軒で1泊いくらか聞いてみるとそれほど高くはなく、値段交渉の末に最初の言い値の3分の2まで値下がりしたので、そのままチェックイン。
もうすぐ夕暮れ時なので海へ行ってみると、いるいる、大勢の人が。
その人混みをかき分けて、波がすぐ足元までやってくるあたりでしばらく沐浴する人たちを眺めてみる。
一瞬、真夏の海水浴場に来たのかと錯覚するようなにぎやかな光景に驚く。
辺りにこだまするのは、波の音に負けないぐらいの歓声。
男の子たちはパンツ一丁で波に揉まれてゲラゲラ笑っているし、ご婦人方は波打ち際で足を浸すばかりだけど、ときどき食らう大きい一発でびしょ濡れになるのをかえって楽しんでいるようだ。

陸の先端で遮るものがないためかつねに強い風がビュービュー吹きつけ、大きな岩がゴロゴロ散らばり、波は高くて激しいという安心して入れるような海ではないのに、そんなことはお構いなしといった感じがする。
危うくこの愉快な沐浴シーンに夢中になり過ぎて、うっかり夕日を見逃すところだった。
露店の多く集まる広場まで戻り、海に落ちる夕日を見られるポイントを探して歩くが、もうすぐ沈むという段になってこの辺りからは見られないということに気づく。
そうか、だからさっきオートリキシャーのドライバーがサンセットポイントに行かない? と声を掛けてきたのか。悔しい!
方角からすると朝日はばっちり海からおでましするはずなので、今度はなんとしても見逃すまいと心に決めて、灯りの煌々と輝く5ルピー(約10円)ショップを通り過ぎてホテルへ戻る。

5時半、起床。まだ外は暗い。
廊下からときどき声が聞こえてくるから、ほかにも朝日を見ようと早起きしている人がいるようだ。
準備をして外へ出ると、空がだいぶ白んできた。
しかし、ホテルの並ぶ通りにはほとんど人の姿がない。
さっきの声の主はまだホテルの中かな。
と思って、なんとはなしに見上げてみると、それぞれのホテルの屋上にはたくさんの人がスタンバイ中。
海まで行かずにそこから見るってありなの?

昨日とは別の、サンライズのポイントとして知られる海に来てみれば、こちらも既に大勢でにぎわっている。
ほどなく、線香花火の中心みたいな色をした太陽が、雲のあいだから顔を出す。
うっすら雲がかかっていたので海から昇る朝日とはいかなかったが、じっとその様を見つめて佇む後ろ姿の、なんと美しいことか。


次々と、不思議なポーズを決めて写真を撮る人がちらほら増えてきた。
なるほど、手のひらに太陽を載せている風とか、両手で太陽を包んでいる風など、ユニーク写真の撮影大会をしているのか。
若い人だけでなく、これまで笑顔を浮かべることなく写真に収まっていたおじさんでも、こんなポーズを決めて撮影しているのには思わず笑ってしまった。
ここには聖なる時の流れとお楽しみの時間とが同居しているから、なんとも面白い。

せっかく早起きして出てきたので、このまま帰るのがなんとなく惜しくて、近くにある漁港を経由してから戻ることに。
細く複雑に入り組んだ道はいかにも港町のそれといった具合で、インドでも日本でもその風景は変わらない。
さっきから見ているとどうもここはキリスト教徒が多いようで、玄関にキリストの絵が描かれたタイルを埋め込んである家や、漁船の船首に十字架がつけてあるのをよく目にする。

そばにある大きな教会では、熱心に祈りを捧げるサリー姿の女性。
ともするとヒンズー教の聖地にいることを忘れてしまいそうな、不思議な場所に迷い込んだ気分になった。

当初抱いていたイメージとはいろいろ違うことの多かった最南端の聖地。
やはり、実際に訪れて歩き回って見てみないことにはリアルな姿がわからない、という旅の意義が改めてよくわかった。
ここからインド後半の旅が始まるけれど、これからもこの当たり前で大事なことを忘れないようにしよう。



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2009.5.4 カニャークマリ / Kanyakumari

Join the discussion 4 Comments

  • ガク より:

    2か月で半分かぁ・・・。
    インドはやはりそれくらいかかるよねぇ。
    最近またいつもの悪い病気「旅に行きたい病」にかかりつつあります。
    できれば梅雨嫌いなので6月にどこか行きたい。
    たぶん身近なところでミャンマーか、中国雲南省あたりかなぁ。
    残り半分も体に気をつけ、楽しい旅を続けてください。
    夏?秋?にまた会いましょう!

  • かな子 より:

    ■ガクさん
    ゴア以外ではそれほどのんびりしたつもりはないんだけどね、やっぱり時間がかかるね。
    インド、大きいから移動に時間もかかるし、あと待ち時間も長いし。
    ミャンマーを身近と言い切るガクさんがすごい(笑)!

  • Korino より:

    ああ!聖地まで行きましたか!
    おめでとう!
    ここの海に入って夕陽をみたかったなあ。

  • スミサト より:

    ■korinoさん
    最南端は、やはりついに、という感があって良いですね。
    そういえば、海には全く入らなかったことに気がつきました。。。
    インド人も入っていない人も多かったですけどね。