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「これなんだ?」
子供の頃にこの遊びを知っていたら、きっと夢中になって手をあれこれ動かして、誰かに見せては何度もこう尋ねたと思う。
おもちゃがなくても、想像力ひとつでどんなものにもなれる変身の達人であり、大人には考えられない発想をする見立ての天才である子供にとっては、絶好の遊びかもしれない。
てむすび。
それは友人であるsetoが名付けた、両手を組み、シンメトリーな美しい形をつくり上げる手遊びのこと。
前々からてむすびの本を制作中という話は聞いていたけど、ちょうど『インドホリック』が発売されるのと同じ頃に出版と相成った。
タイトルはずばり『てむすび』。



さまざまな動物を模した「いきもの編」、花や風景といった「しぜん編」、日用品などの「もの編」という3部構成となっている本編ではひとりでつくるてむすびが、途中には複数で楽しめるてむすびなんかも掲載されていて、見どころ満載。
ページをめくる度に、なるほど、とか、そうきたか! といちいち感想を言わずにはいられない、独創的で美しい手の造形がいっぱいで、日頃、いきものの姿かたちをフィーチャーしたものづくりを展開するsetoの観察眼の鋭さに脱帽、である。
1ページにひとつのてむすびとタイトルがあるだけなのに、自分ならどうやって表現するかな、これは面白いから真似してやってみよう、と、早く読み進めたい気持ちとは裏腹に脱線してばかりでなかなかラストまで辿り着かない。
こんな具合で好奇心を刺激されるから、てむすびの世界に大人もずぶずぶのめり込んでしまう。
とくに「いきもの編」では初めて名前を知る動物も登場して、どんな姿をしているのか気になってネットで検索して、またまた脱線……。
いつでもどこでも、ひとりでも大勢でも遊べるてむすびだけど、秋の夜長に、テレビを見る時間を減らして家族で楽しむのもいいな、と思う。
ただし、遊ぶ前には指から手首にかけてしっかりストレッチを。
さあ真似しよう、と思ってやってみたところ、予想以上に自分の指が曲がらないことに愕然した、というのをこっそり告白しつつ、準備運動をしてからのほうがよりたくさんの新しいてむすびが生まれるに違いないから。

2010.9.14

Join the discussion 2 Comments

  • のりこ より:

    京都ではどうもでした。
    今でもスライドショーよかったねぇ、なんて話してます。
    setoさんとお知り合いなんですね!
    私が鎌倉に行ってみたい理由の一番が、setoさんのお店に行ってみたいからなんですよ〜。
    九印さんの頃からのファンです。
    「てむすび」気になります。面白そう。
    恵文社なら置いてるかもですね。探してみます。

  • スミサト より:

    ■のりこさん
    先日はどうもありがとう!
    setoが鎌倉に行ってみたい理由の一番!
    そしたら、鎌倉に来た際にはsetoのお店に是非ご一緒しましょう。
    お店は駅からも近くて、趣のあるエリアですよー。
    カバンとかもかわいいですよねー、ウチはデジカメ入れに使ってます。
    てむすびも良い感じなので、ぜひ見てみてください。

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