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昨年の台湾に続くチビオトの旅第2段は、タイ・ベトナム・ラオス3カ国周遊の旅。
今回は出発時と、バンコクでの日々を振り返る。


夜行便で羽田から出発。
機内で泣き出したら一大事、とハラハラしながらのフライトだったが、早めにラウンジに行ってゆっくり過ごしたのが功を奏したのか、ほぼ目を覚ますことなく無事スワンナプーム空港に着いた。
着陸と同時に起きたチビオトを抱えていちばん最後に飛行機を後にし、ボーディングブリッジからターミナルビルへ入ろうとすると、ウソ、鍵がかかっていてドアが開かない……。
まさかの入国拒否!?
と思ったら、しばらくして係員がのんびり近づいてきて解錠してくれた。すでに乗客は全員降りたものと見なされていたらしい。
気を取り直して入国審査、と思ったら、早朝にもかかわらずげんなりするほどの大行列。
いつになったら順番が回ってくるのかと考えただけで、めまいがしそうになる。
だが、子連れ旅のいいところは優先レーンに案内してもらえること。
このときも係の人がさっと案内してくれて、10分後にはバゲージクレームに来ることができた。
寝不足で頭はいささかぼんやり気味だけど、こういうときこそ気を引き締めないと、うっかりミスをやらかして後悔するから要注意、と思いつつ向かうは出発ロビー。
ボケていた、のではなく、お客さんを乗せてきたタクシーをつかまえて、空港で待機しているタクシーに支払う利用料を浮かせようというセコい作戦だ。
ああ、チビオトがいっしょでもちまちました節約志向が抜けない。
空港を出た瞬間に感じたむわっとした空気、これこれ、これぞタイという感じ。
ただ、まだ気持ちが完全には旅に追いついてきていなくて、どこかふわふわした気分がする。
ハッピーバレンタイン、という粋な一言を残して去ったタクシーに手を振り、カオサン通りから徒歩15分ほどのホテルにチェックイン。
これまでならチェックインタイムまで荷物を預けて時間をつぶしていただろうが、子どもに無理をさせて体調を崩したら大変なので、1泊分余計に払ってでもすぐに休めるようにしたのだ。
子連れだから贅沢するとか、無駄遣いをする必要はないが、健康・快適に過ごすための費用は惜しまないほうがいい、というのが、こと子連れ旅では大事だろう。
(余談だが、ホテル側のご好意で、この1泊分の料金は不要ということになった。ありがたい!)


しばらく休んだら、さあ、バンコクの街へ繰り出そう。
チャオプラヤー川沿いのレストランでランチをとり、少しだけカオサン通りを流す。
かつては世界中の旅人が集まる一大ツーリストストリートだったが、現在ではカオサン周辺にもゲストハウスが立ち並ぶようになり、今では泊まるエリアというより飲食店がメインという印象。
でもやっぱりここを歩くと妙に血が騒いで、エキサイティングなのは変わらず。
そんな興奮気味の大人とは対照的に、チビオトはいつもと比べて元気がない。
冬の日本から、一気に真夏、しかも30度オーバーのむしむしするバンコクの気温差に、体がついていっていないようだ。
なるべく日陰を選んで歩いていたつもりでも、顔は真っ赤で汗ダラダラ。
日中出歩くのはちょっと厳しかったな、と猛省し、翌日からは午前中の早い時間と夕方以降に外歩し、昼間のいちばん暑い時間帯は部屋でのんびりするか、もしくは冷房の効いた屋内を散策することにした。

おかげで翌朝訪れたワット・ポーでは巨大寝釈迦仏を見物し、仏塔の間を駆け回り、石段を上ったり降りたりを繰り返し、チビオトなりの楽しみを見つけていたようだ。
そのほか、ルンピニー公園で遊んだり、マーブンクロン・センターをぶらぶらしたり、ウィークエンドマーケットで買い物に精を出したりと、アジア随一の都会、バンコクを満喫した。


ただ、幼児連れの旅先としてベストかと問われると、バンコクはちょっと厳しいかも、というのが正直なところだ。
医療体制はしっかり整っていて、料理のバラエティーは豊富で、物価はお手頃、と一見いいことづくめのようだが、それはあくまで大人にとっての好条件。
子どもにとっては年中蒸し暑いから体にはこたえるようだし、交通量が多いので好きなように歩くことができず、常に抱っこでの移動だから少々退屈そうに見える。
子ども好きのタイの人とのコミュニケーションは楽しかったようなので、北部の、例えばチェンマイのような少し涼しい土地を旅したほうが、のびのびと過ごせるのかもしれない。
ということをぼんやり考えつつ、シンハーをプシュッと開けて「明日何買う?」と夜な夜な作戦会議を開く大人は、都会の楽しみに完全に目がハートになっていたけれど。

2012.2

Join the discussion 6 Comments

  • LIBRO より:

    チビオト君、頑張れ〜!
    きっといつの日かどこかで、この旅の体験がフッと蘇ってくると思う。
    あぁ〜、懐かしのタイ。
    写真を拝見していると15年前に旅した頃の光景が蘇ります。
    トゥクトゥクに乗って、あの熱気を体で感じたい。
    旅での子供の感情や環境配慮ってやはり大事ですね。大変参考になりました!

  • かな子 より:

    ■LIBROさん
    旅の体験が蘇る……、そうなるとうれしいですね。
    覚えていなくても構わないと思っているのですが、成長して旅に興味を持ったときに「あぁ、オレの両親は何を思って海外に連れていったんだろう」って考えるきっかけになったらいいな、と思っています。

  • hana より:

    素敵な写真と、文章にいっきに旅気分になったよー!

  • かな子 より:

    ■hanaさん
    レス、遅くなってごめんなさい!!
    ベトナム、ラオスの旅もまとめなきゃ、と思いつつ、のんびりペースで準備中。
    しばしお待ちを!

  • マイキー より:

    ソートがおかしくて、今になってようやく記事が
    アップされてることに気づきました。。。
    タイは長らく行っていなくて、雑誌等みると様変わりした
    ように思えるのですが、こちらで拝見するバンコクは
    あまり変わってないみたい。
    トゥクトゥクもまだ走っているのですね。
    小学校に上がると安い時期の旅行が難しくなるので、
    我が家も今年はどこかへ行こうと計画中です!

  • かな子 より:

    ■マイキーさん
    お、ということはバリ以来、海外はご無沙汰なんですね。
    トゥクトゥク、現役ですよ~。
    カオサンの喧騒も相変わらずでした。
    空港が変わった(ドンムアン→スワンナプーム)っていうのが、いちばん大きな変化に思えたかも(汗)。
    マイキーさんの国内の旅も、毎回うっとりしながら追いかけていますよ!

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