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山梨にいってきた。
家族3人での初キャンプ、である。

12~13年前、野外フェス参戦のためにテントを購入したのが、キャンプデビューのようなものだった。
それからは年に1回程度使うか使わないかといった塩梅で、最後にテントを張ったのは6年前。
しばらく物置に入れっぱなしになっていたが、昨年あたりから「そろそろいっしょにキャンプ、できるんじゃないか!?」と思い計画を練っていた。それなのに、予定していた日がすべて天候不良のため実現ならず。
今年こそは!と意気込み、友人ファミリーがオススメしていた白州・尾白の森名水公園「べるが」を予約して、晴れろ晴れろと念じる日々。
しばらく雨続きで天気予報もころころ変わるものだから、キャンセルするかどうするか、直前までかなり悩んだのだが、無事に雨も止んで出発することができた。

周囲を山々に囲まれた田んぼの中を突っ切る一本道を抜けた先に現れるべるがは、森も川もあり、場内には温泉やレストラン、バンガローまで完備していて充実。
でも、やはりここはテント泊で、ということでまずは基地づくりから。
普段あまり触る機会のないハンマーを片手に、トントンとリズミカルにペグを打ってお手伝い……と思いきや、少し斜めに角度をつけて打つのが難しかったようで、ひとり離れた場所で闇練を。

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テントに背を向けてペグをトントントン……

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まさかの熊出没注意!?(サルはたくさん見かけたが)

テント設営を終え、ハンモックを吊り、一通り準備ができたら近くを流れる尾白川で川遊び。
前夜までの雨で水量は多く、水温は低め。
足をちょっと浸しただけで縮み上がりそうな冷たさにもかかわらず、チビオトは胸のあたりまで浸かって延々何かを叫び、ちょこまか動き回っていた(滝の轟音で大声で話さないと聞こえない)。

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ブラジルのハンモックでひと休み

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尾白川えん堤は最高の遊び場

暗くなるまでまだ時間があるが、夕飯の支度をのんびり始める。
カセットコンロでご飯を炊き、炭の火起こしをし、その間にプシュッと一本開けてグビグビ飲み、食材を並べて、お皿やカトラリーをセッティングし、さあ、あとは焼いて食べるだけ。
炭火があれば、なんでもご馳走になる。
たらふく食べて、場内の天然温泉「尾白の湯」でひとっ風呂浴びて、そろそろ寝る準備を。
旅先でも普段通りにすやすや眠れるチビオトだが、寝袋はちょっと勝手が違うからどうだろう、という心配をよそに、すぐに寝息を立てて朝まで一度も目を覚まさなかった。
快眠のチビオトとは対照的に、宵っ張りの大人2名はなかなか寝付けず、夜中何度も目を覚まし、翌朝はぼんやり……。

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日が落ちるとテントサイトは真っ暗に

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持参したランタンの照度が足りず、ビニール袋で反射させたら明るさ倍増

ひんやりした朝の空気に包まれて食べる朝食は、これまた格別だ。
それが、買ってきたパンと前夜の余ったウインナーを軽く炙っただけであっても。

食後は付近を散策。
遊びたい盛りのチビオトは、ブランコを見つけたら目がますます輝き、ダッシュで飛び乗っていた。
ほかにもバドミントンやカエルとりなど、家の近所でもできそうだけれど案外やらないものに夢中になっていて、これぞ遠征の醍醐味、と感じた。
普段とは違って電気に頼らない環境で退屈せずに過ごせるのか、若干不安ではあったが、初めて尽くしで飽きる暇がなかったようだ。

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気持ちの良い朝

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屋外で食べる朝食って優雅でいい

テントサイトで小さな子を連れた方がいたので立ち話する。
なんと、0歳のときからいっしょにキャンプしているという。
すごいですね、大変じゃないんですか?とあれこれ尋ねてから、はっとした。
キャンプと海外の旅、共通項が多いのではないだろうか。
小さな子を連れていくのは一見難しいように思えても、親が「よし、楽しいところに出かけるぞ!」とちょっと気合を入れれば、案外へっちゃらなのかもしれない。
そして、出かけた先では子連れだからこそのスペシャルなひとときが待っていて、帰ってきたあとにはぐんと成長している子どもの姿に、きっとうれしい驚きを感じるに違いない。

……なんてことを考えつつ、「またキャンプしたいなあ」と話すチビオトに笑顔で相槌を打ちつつ、心はすでに次のキャンプへと向かっているのだった。
今年、もう一回ぐらい行きたいなあ。

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森の中を散策中、いがぐりを拾い上げようとしたら指に刺さって痛かった

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手前の木製ブランコは前後以外に横にも斜めにも動いて面白い

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