大人が楽しむ、夏休み

スカッと気持ちのいい晴天、とまではいかないが、毎日お天気に恵まれている鎌倉。
ここ1カ月ほど、まともに雨が降らないのが少々気がかりではあるものの、庭の野菜も元気いっぱいに成長中。なかなか実のならなかったゴーヤも、いまではミニチュアサイズほどに育ってきた。
さて、今週は夏のお楽しみ満喫ウィークだ。
海の家に、花火に、昆虫採集も？

海の家といったら、海水浴客がお世話になるところ、だと思っていた。
しかし、7年前に鎌倉に引っ越してきて、海の家に行くために海へ出かけるという逆転パターンが存在することを知った。
さまざまなライブを、開放的な空間で、しかも格安で見られるというのは非常に魅力的。
ときには大物が飛び入りで参加したり、サプライズがあるというのも嬉しい話。
ほぼ毎年欠かさず、夏の恒例行事として海の家へ行くというのが大事な予定のひとつになった。
今回は葉山の森戸海岸にある老舗、OASISにて、レゲエの投げ銭ライブ。
ちょうど友人夫妻が遊びにやってくるというのも、いいタイミングだ。
OASISは昔からレゲエ色が強く、ライブをやる海の家としては最も古いのではないだろうか。
この日はG-Jam Bluesや、FRISCOなどといったメンツが出演。
太陽が真上にある時間から始まって、気がつくと夕暮れといういい時間運びに。
FRISCOはペダルスチールギターの音が、とにかく気持ちよかった！

そのほかの気持ちいい海の家は関心空間のキーワードに登録しているので、気になった人はこちらもチェック！
そして、歩いて見に行けるほどの近さが嬉しい、鎌倉花火大会。
せっかくだからと友人に声をかけて、みんなでビーチに繰り出そう、という当初の計画はどこへやら。
結局は暑さとビールの誘惑に負け、まずは我が家で軽く飲むことに。
そのときに気づいた、衝撃の事実。
平屋のちっちゃい我が家からでも、花火がほんの少しだけど見える！
とはいえ、やっぱり迫力に欠けるのでぶらぶら歩いてビーチへ向かう。
たまたま見つけたポイントは、真正面に花火の見える絶好の場所。
目の前に上がる大輪の花のような打ち上げ花火と、海面に扇状に広がる美しい水中花火、そしておなかにどしんと響く低音。
終わったあとのしんみりした雰囲気に、しみじみ夏を感じた。


菜園の様子を見るために庭へ出ると、セミの抜け殻が木の幹や葉っぱなど、あちこちにしがみついたままになっている。
よーく観察してみると、それぞれのパーツが精巧かつ複雑で、見ていて飽きることがない。

そんな虫に対する驚きを改めて感じることのできる面白い展示を、ちょうど友人のユニット、setoがやっているんだった、と思い出してランチがてらお出かけ。
場所は鎌倉駅からほど近い、老若男女問わず人気の食堂、cobakaba。
エントランスのガラス戸にたくさん貼られたポストカードには、見たことのない謎の昆虫たちがいっぱい描かれている。これらは、丸や台形など、数十種類に分けられたパーツのスタンプをぺたぺた押してできあがった新種たち。
「昆虫採集スタンプ」展と名づけられたこの展示では、パーツ化されたスタンプを押すことで、簡単に昆虫を描くことができる。なるほど、これなら絵にはまったく自信のない我々でも、適当にやっているうちにイメージが湧いてきてやりやすい。
さて、できあがった新種はというと、ちょっと趣旨がずれて風景画のようになっちゃったような……。

8月も、もう折り返し地点。
夕暮れどきの日差しに、やさしい表情が見えてきた。
秋の気配を感じるにはまだ早いけど、もうじき終わりを迎えるであろう夏を、まだまだ楽しまねば。
2008.8.13　鎌倉
by かな子