先日ドトールの前を通りかかったら、店先でインドのコーヒー豆が売られていた。
200gで1,100円と、安価にコーヒーが楽しめるドトールにしては結構なお値段だと思ったが、気になったので購入。
個性豊かなコーヒーを紹介する「ザ・ドトール スペシャル」の第二弾で、インドの南、ケララ州のネリヤンパシー丘陵にあるポアバス(ポアブス)農園のもの。
国内のコンクールでの入賞経験もある、数百人規模の有機農園だとか。
紅茶の産地として知られ、道端でもレストランでもどこでもチャイが飲めるインド。
でも、南部ではコーヒーを提供するスタンドも数多く見かけた。
南インドでは牛乳と砂糖たっぷりの甘いコーヒーがあちこちで売られていて、オーダーすると、高い位置から繰り返しコーヒーを注いでから渡される。
これがおいしい。
熱過ぎずぬる過ぎずの適温で、まろやかな風味がたまらない。
長距離バスに乗る前の待ち時間とか、街歩きでちょっとくたびれたときによく飲んだ。
スパイスの一大産地であるクミリーという街を訪れた際には、オートリキシャーのドライバーにお願いしてスパイスガーデンをいくつか巡った。
農園に足を踏み入れると、胡椒やカルダモンなどに混じって赤い実をつけたコーヒーの木もちらほら。
せっかくだから、泊まっていた宿(名前はCoffee Inn!)の向かいにあるセレクトショップで、お土産にと南インド産のコーヒー豆を買い、大事に日本まで持ち帰った。
しかし、密閉されておらず、普通のビニール袋に入れたまま放っておいたのがまずかった。
南インドのコーヒーの味について正当な評価を下せる状態ではなく、ほかのおいしい豆と混ぜてなんとか飲み切った、というオチが待っていた。
南に限らず、インドのモダンなコーヒーチェーンにもたびたび通った。
Cafe Coffee DayやBARISTAに寄って、コーヒーを飲みながらWi-Fiで調べもの、なんてよくやったっけ。
さて、今回買った豆はどうだろうか。さっそく開封してみる。
とたんに部屋中にコーヒーのいい香りが充満する。
豆は……、やや不揃いでばらつきはあるものの、まあ許容範囲か。
さっそく挽いて、ハンドドリップで丁寧に落として一口飲んでみる。
おいしい。
焼き菓子といっしょだと、両方の味が引き立ってさらに美味。
あまり酸味のあるものは得意ではないが、このぐらいだったらいいアクセントになるのだな、と思いつつ、一口飲んで、パクッとお菓子をつまんで、を繰り返す至福のひととき。
「ザ・ドトール スペシャル」は全5回登場する予定だというから、次はどの国の豆に出会えるか、今から心待ちにしよう。