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甘いものは別腹、が通用しなかったインドでの道中。
1回に出てくる食事はボリュームたっぷりで、すべてを平らげると胃袋に余裕が残るなんてことはまずなかった。
せっかくだからデザートだっていろいろ試したいのに、と思いながら、注文することのないまま会計をお願いする日々が続いた。
しかし旅も終盤に差し掛かった頃、これではいけないと一念発起した。
きっかけは、ラダック地方にあるヌブラ谷1泊2日ツアーにいっしょに出かけたブラジル人トニーの一言。
「Hello to the Queenってデザート、食べた? あれ、病みつきになるよね」
名前からはちっとも想像がつかないデザートの、正体はいかに。


ツーリスト向けレストランのメニューを開けばかなりの確率で目にしていたから、名前だけは知っていた。
それなりに値段も張るからきっと豪華なデザートだろう、ぐらいに思っていたのだが、先ほどのトニーいわく、温めたバナナの上に砕いたクッキーを載せ、その上にバニラアイス、ラストにチョコレートソースをかけてできあがり、というデザートらしい。
聞いただけでよだれのしたたる組み合わせだけど、ところで、どうしてHello to the Queenなんて名前なのだろう。
気になったのでネットで調べてみたものの、インド生まれのデザートらしいことはわかったがそれ以上のことはさっぱりわからない。
名前はイギリス風だけど、見た目はアメリカっぽい気がする。いったいどうして生まれたのか。
ま、難しいことは置いておいて、とにもかくにも実際に食べてみようではないか。
ゾーブでさんざん遊び、小腹が空いた夕方、カフェに入って注文をした。
目の前に出されたのは、こってり甘そうなこんな一品。

一口食べてみると、これがかなりクセになる味でおいしい。
溶けかかったアイスクリームとサクサクのクッキー、ホカホカとろとろのバナナというハーモニーは予想以上に絶妙だった。
カロリーが高そうだなんてことを気にしちゃいられない。パクパクと食べ進めるうちに、あっという間に空っぽに。
それからというもの、メニューで見かけた際には頼むようにしていたが、暑い時期ゆえアイスクリームを常備していなくて、と断られることもあった。
口の中が甘いものウエルカムモードになってからのこの言葉に、肩を落として「ごめん、どうしても食べたいから」とお店を出ることもあるほどだった。
さて、このデザートの構成要素は日本でも簡単に手に入る。
正しいレシピを知らなくてもこれなら再現できそうなので、本日のおやつはHello to the Queenで。
まずはバナナ1本を輪切りにして電子レンジで4~50秒温める。
次にクッキー2~3枚を砕いてパラパラとその上に載せる。チョコチップではなく、プレーンでももちろんOK。
バニラアイスを盛って、チョコレートソースをかけたらできあがり。
(ソースは温めたほうがいいようだが、そのままでも充分おいしい)

写真に撮ろうとしばらく食べずにいたら、すぐに溶けてきてしまった。
完成したらわき目も振らずに口の中へ、が正解だな。
一口放り込むと、ああおいしい、懐かしい。インドのときと同様、ぺロッと平らげてしまった。
ジャンクなデザートだが、試す価値は大いにあり。でも、できるだけ昼間のほうがいい。
夜に食べると、寝る前に後悔しそうな気がするから。

Join the discussion 2 Comments

  • yuus より:

    アイスクリームがレディ〜ボーゲェン〜(昔のCM風に)ってとこにキュンときちゃった。。
    こういう、自分の文化じゃないけどはまる甘ったるさっていいね。美味しそうなのでぜひ試したい!!

  • かな子 より:

    ■yuusちゃん
    CM、懐かしい!
    でもね、レディボー「デ」ン、だけどね(笑)。
    ものすごくぐったりした日にはピッタリのスイーツかも。

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