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これまで旅の最中にちょっとしたトラブルに出くわすことはあっても、帰国後、自分の知らないところで災難に見舞われるとは思いもしなかった。
何かといえば、クレジットカードのスキミング、である。
昨年、友人知人が相次いで被害に遭い、怖いなあと思っていたのだが……。
昨日は人の身今日は我が身が、まさに現実のものとなった。

事の経緯はこうだ。
3月下旬のある夜、何気なく見たクレジットカードのWEB明細に、身に覚えがない利用金額が記載されていた。
その額、およそ9万円。
よくよく見ると、数日前に海外でキャッシングしたようだ。
いやいや、その頃、普通に日本にいたし。カードだって手元にあるから、落として勝手に使われたわけでもない。
そこで、カード会社に電話をして経緯を話し、調査してもらうことになった。
予想外かつ急な展開にビックリして、声が上ずっていたに違いない。

翌日、調査専門の部署から連絡があった。
アメリカ国内のATMでキャッシングされていて、暗証番号も一致していたため、おそらく偽造カードを作られたのだろう、とのこと。
12月のカリブ海取材のときに、アメリカの空港やショッピングセンターでキャッシングした際に漏れてしまった可能性が濃厚だ。
さらに、被害額を降ろしたあと、数日に渡り何度も引き出そうとしていて、ことごとく失敗したこともわかった。
キャッシングの限度額を低めに設定しておいてよかった……。

その後、暗証番号の変更やら、パスポートを全ページコピーして提出やらを経て、被害発覚から約10日ほどで新しいクレジットカードが届いたときは、心底ホッとした。
普段あまり使わないとはいえ、いつも財布に入っているはずのものがないというのは、思った以上に心もとなかった。
(しかも、こういうときに限って、Amazonで買い物したくなったりするから困る)
また、引き出されてしまったこの9万円ほどの金額は請求されず、これにて一件落着。ああよかった。

さて、二度と同じ被害に遭わないように、キャッシング枠を取り消してしまいたいところだが、そうもいかない。
なぜなら、旅先での現地通貨調達が楽だから。
海外キャッシングの場合、ATMですぐに引き出せるから時間も手間も省けるし、帰国後すぐに繰り上げ返済をすれば、両替よりも好レートのことが多いのだ。
では、スキミング被害に遭わないために、どんな対策を講じればよいのだろう。
調べれば調べるほど、完全に防ぐ手立てはないことがわかり途方に暮れてしまうが、ひとまず、ATMを使うときには利用者が多い場所を選ぶことと、こまめにクレジットカードの明細をチェックすることだけは徹底していきたい。

便利な世の中には落とし穴がいっぱい、ということを、身をもって知った。

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