Morocco days : モロッコの旅

2015/02/07
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一家揃っての5度目となる旅を終えて帰国した。
モロッコ。
日本から丸一日以上かけなければたどり着けない異国の地で過ごした日々は、思った以上に「旅している」という実感に満ちていた。
17泊20日とこれまででいちばん長い期間だったこともあるし、真っ青な街並みや迷路のようなメディナ、雪山を越えて砂漠へ大移動といった多様な変化を、限られた時間で一気に見ることができたとのも大きいだろう。
そして、前回のブログで簡単に触れたバスの大幅な遅延など、旅ならではのハプニングに「どうしよう!?」と焦った一幕もあった。
もしチビオトがもっと幼かったなら、自分の主張ばかり押し通して泣きわめき、大変な思いをしただろう。
でも、4歳7カ月となった今は、事情を詳しく話せば「えーっ!」とかちょっぴり反抗することはあっても、だいたい理解して受け入れてくれた。

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羽田から鎌倉へと戻る終電の中で、チビオトがふいに「モロッコ、たのしかったね」と言った。
そうだね、と軽く返したけれど心の中では心底うれしかった。
長時間の移動は負担が大きいだろうと小刻みに移動したおかげで、のんびり滞在できる場所は決して多くなくて、予定表を見返せばほぼ連日電車やバスに乗りまくった旅だったのがわかる。
しょっちゅう「あー、この街いいなあ。もう一泊したい」と大人が漏らすほどだったから、チビオトだって、今回はずいぶんせわしないなあと感じていたかもしれない。

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ただ、チビオトが広大な砂漠を前にして、普段では考えられないぐらいにはしゃいでいて、遠くても大変でも、この年齢でモロッコをいっしょに旅してよかったと、心から思う。
なにより予想外の副産物が素晴らしすぎた。
モロッコの人たち、本当に子どもにやさしいのである。
これまで訪れた国でも大いに親切にしてもらったが、親切の度合いをはるかに超える歓迎ぶりだった。
老若男女問わず、頭をなでてからのほっぺたチュッ、は日常茶飯事。
あまりにもしょっちゅうされるので、後半はやだやだと顔を隠してしまっていたが、まんざらでもなかったみたい。
ときにはお店の商品を「プレゼントだよ」と渡してきたり、小船を見ていたら「乗るか?」という仕草の後に実際に乗せてくれたり、退屈していないかなと話しかけたり、遊んでくれたり。
チビオトといっしょに歩いていると、すれ違う人の8割がニコッと微笑んでくれた、と言っても過言ではない。

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子どもがいるからやさしくされたのでは、と突っ込まれそうなので一応触れておくと、大人にも大変親切だった。
重い荷物を持って難儀していれば、頼んだわけでもないのにひょいと持ち上げて駅のホームに降ろしてくれるナイスガイがいて、バスが遅れて夜遅くに到着し、タクシーがいなくて途方に暮れていると「宿まで送るよ!」と自家用車で送ってくれる人たちがいて、屋台にてカメラバッグの置き場がなくてキョロキョロしていると、ここに置け、とばかりに厨房内にスペースを作ってくれる人がいた。猫の手も借りたい忙しさだったというのに。

さりげないやさしさと慈しみの気持ちに包まれた中を旅するのが、いかに幸せで快適なことかをモロッコにいる間中、かみしめていた。

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ちょうどモロッコ滞在中に、同じイスラム教の別の国で悲しい事件が起こった。
毎晩ニュースサイトを見ては、どうか無事でいて欲しい、なんとか解決して欲しいと願っていたが、その懇願は届かなかった。
非常に紛らわしい名称のため、イスラム教国家に悪いイメージを持たれてしまっている感が否めず、それがただただ残念である。
実際、旅好きの友人からも「大丈夫?」と連絡がくるほどなので、よほどインパクトのある報道がされていたのだろう。
あの事件を引き起こしたISILは、宗教の名を借りているだけに過ぎないと思う。
イスラム教徒が大半を占めるモロッコがいかに楽しかったか、素晴らしかったかを微力ながら報告することで、どうかイスラムの人たちが悪いわけではないと、思っていただければ幸いである。

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