この曲を知ってから、かれこれ1年になる。
今も飽きることなく頻繁に聞いている、自分の中のロングヒット曲。
確か、かつて放送されていたInterFMの番組、バラカンモーニングで耳にしたように思う。
まず単純に、曲自体が好きになった。
土臭いのにメロウな感じの曲は、結構ツボに入りやすい。
例えば、FLEETWOOD MACのAlbatrossや、Devendra BanhartのBad Girlなど。
それで、気になったオンエア曲はFMであれネットラジオであれ、すぐさまチェックする。
「Far East Man」という曲名だとわかったとき、「Far East」という単語に惹かれ、さらに気に入った。
日本語に訳したら「極東の男」、つまり日本人男性のことか?と驚いたのだが、歌詞を見たり、ネットで曲の背景を調べたりした結果は違った。
たまたまロン・ウッドが着用していたTシャツの言葉をヒントに、ジョージ・ハリスンといっしょに作ったということらしい。
ちなみにジョージのヴァージョンはこちら。
好みはそれぞれだろうが、ロン・ウッドの方が好みだ。
余談だが、2003年のストーンズ来日公演の際、東京ドームで見たメンバーではロン・ウッドがいちばんかっこよかった。
さて、日本が極東にあるというのは、この国に暮らしているとどうもピンとこない。
しかし、子午線(経線)の始まりとなるイギリスのグリニッジ天文台が基準だと聞けば、わからなくもない。
「Far East」とgoogleのイメージ検索をすると、日本を始め、韓国、中国、ロシアといった地域の地図が出てくるのに対し、「Far West」と検索するとモニュメント・バレー、あとはウェスタン映画のセットが出てくるのが面白い。
確かに、どちらも“果て”っぽいイメージはあるが、「Far East」に比べると、秘境らしさとか壮大なスケール感には若干欠ける。
さらに検索したところ、「『極東』はあるのに『極西』はないのか」という疑問をなげかけている人もいた。
多くの意見から推察すると、当時強国揃いだったヨーロッパを基準として、東側諸国を近いところからNear East(近東)、続いてMiddle East(中東)、そしてFar East(極東)と表現したようだ。
ヨーロッパの西側はだだっ広い大西洋だったから、東に目が向くのは必然だったのかもしれない。
ついでに「Far North」や「Far South」もヒットはするが、こちらは北極・南極になるため、あえてそういう表現をする必要がなかったのだろう。
「Far East」には、大航海時代あたりにヨーロッパの人たちがはるか遠くの未知の国に抱いていた、期待や神秘やロマンが込められている気がする。
……と、ロン・ウッドの曲からちょっとした雑学を探るエントリーになってしまった。いやはや。