6度目の子連れ海外の旅は、チビオトが1歳のときに訪れたベトナムに決めた。
そのときは首都ハノイだけの訪問だったが、バイクの洪水の中をおぼつかない足取りのチビオトと歩くのはさすがに怖くて、歩道が整備されたホアンキエム湖周辺以外は抱っこで連れ歩いていたことを思い出す。
5歳になり、あの頃よりは足取りもしっかりしているし、周囲に注意を払うことも一応できるし、今ならもっと楽しめるのではないか。
そんな思いを持ちつつ、まだ行ったことのない場所もぜひ見てみたいから、というのが今回ベトナムを選んだ理由だった。
成田空港から中部の都市ダナンに着いて1泊したのち、翌日やってきたのは古い街並みとランタンの美しさで有名な世界遺産の街、ホイアン。
滞在した2日間とも夕方から雨だったけれど、それでもランタンの灯る風景は見ることができた。
ただ、ホイアンは絵になるスポットが多いとはいえ、ツーリスティックな雰囲気が漂っていて、どこか冷めた気分になってしまうのも事実。
台湾の九份、マレーシアのマラッカを訪れたときと同じ感覚が蘇ってきた。
鎌倉でいえば、小町通りを歩いているときのような。
そんなだからか、街並みよりも市場をぶらぶらするとか、乗客とバイクと自転車を積載しまくるボートを眺めているほうが楽しかった。
でも、そんなホイアンで、とてもいい出会いがあった。
今回、旅音初の試みとしてAirbnbを利用してみた。
そこは中心地からやや離れた古い建物を利用した川沿いの一軒家で、賑やかな通りまで徒歩5分ほどの、レストランとホテルが並ぶエリアの中で、そこだけ民家が何軒か集まっているところ。
現地の、普通の暮らしを覗きたいと思っている我々にはうってつけの物件だった。
床に敷いたカラフルなゴザやランタン風の照明、そして竹籠の船を使ったベッドなど、インテリアもかなり好みで大満足。
ちなみに、家のオーナーはファッションデザイナーとのこと。納得。
日中は暑いので、家の中で過ごすことが多かった。
室内にいるのが退屈になったら目の前の川で石投げをしたり、追いかけっこをしたり、家を管理している隣の家の女性と話したり。
チビオトも近隣の人と挨拶を交わすなどして、すっかり溶け込んでいた。
何をするでもなく過ごしたこの家でのひとときが、ホイアンでのいちばんの思い出になった。
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