いつかは海外へ子連れ旅、と目論んではいるが、先日の名古屋行きですらヘトヘトになるありさまなので、実現にはまだ時間がかかりそうな気配。
でも旅の虫はそんな事情はお構いなしで、何かの拍子に急にうずうずするものだから参ってしまう。
せめて気分だけでも旅を味わいたいと思っていたところへ、旅心をくすぐる2冊が手元にやってきた。
よし、仮想トリップに出かけよう。
『はじめてのイスタンブール 雑貨とおいしいものと音楽に出会う旅』
若山ゆりこ 著/ブルース・インターアクションズ
トルコに15年来通い続けてきた著者が、自分の足と五感を1カ月間フル稼動し、イスタンブールの気になるスポットや食べ物、音楽についてまとめた1冊。
情報がたっぷり詰め込まれたいわゆるガイドブックとは異なり、街にあふれるさまざまな青い色、街でブラブラしているおじさん、モスクで感じる穏やかなひとときなど、独自の視点で何気ないイスタンブールの魅力をピックアップしていて「なんかいいなあ、この街」と、ぐいぐいのめり込んでしまう。
また、イラストと写真を織り交ぜた構成も見事で、オール写真にせずイラストと余白をうまく使って雰囲気を伝えているから、実際に旅したときの興奮をあえて残しつつ、読みながら時折手を休めて「こんな感じだろうな」なんて想像に没頭できるゆとりがあってうれしい。
ゆっくり読み進めたい気持ちとは裏腹に一気に読破してしまったのは、サブタイトルにある雑貨とおいしいものと音楽、というキーワードすべてがツボだったからだろう。
行きたい国の上位にいつもランクインしているトルコ。
観光地として有名なカッパドキアやパムッカレはもちろん行ってみたいし、親日家が多いとか食べ物がおいしいとか、旅してみたい理由は枚挙にいとまがない。
それだけにトルコと名のつくものには感度良好でいるつもりだけど、はて、どうしてこの本はトルコじゃなくてイスタンブールだけに的を絞ったのだろう、と最初は思った。
しかし、読み進めればその理由がよくわかる。
この街だけで充分トルコの素晴らしさをたっぷり感じられるからだ。
amazonでトルコと検索しても、タイトルに「イスタンブール」と入っているものが多数引っ掛かるというのが、それを物語っている。
この本を読んだらますます行きたい気持ちが高まった。
あぁ、イスタンブールで暮らしているような旅しているようなそんな時間を過ごして、自分のお気に入りを見つけたい。
ブルース・インターアクションズ
『しろねこ 英国の古城に暮らす猫を訪ねて』
石井理恵子、横山明美 著/新紀元社
りりしい猫の気高い姿が印象的な表紙をめくると、思わずため息が漏れてしまう愛らしい猫たちに彼らのすみかである城や貴族の家、美しい庭など、長い歴史の中で大事に住み継がれてきた邸宅で繰り広げられる静かな暮らしが待っていた。
きっと由緒正しきお家柄の猫なのだろうと思いきや、動物病院で安楽死直前のところをもらわれてきたり、近所に住んでいた飼い主がいつの間にか引っ越してしまったために飼われることになったり、各人(各猫?)とも一筋縄ではいかない背景がある。
しかしそんな事情は過去のこと、現在は自由気ままに過ごす猫たちの日常を追っていると、実際に訪れて会ってみたい衝動に駆られる。
あとがき代わりの取材秘話がまたクスッとしてしまう内容がたくさんで、こちらを読んでからふたたび本編に戻るとまた違った視点で楽しむことができて、二度も「しろねこ」ワールドを堪能できた。
これからしばらくはイメージトリップに励んで、いつか実現するであろう本当の旅のために好奇心と心構えだけは準備万端にしておこう。
ちなみに、現在発売中のオズマガジンは本屋さん特集。
先日展示でお世話になった京都の恵文社一乗寺店や、前から気になっていた新宿のブルックリンパーラーなど個性的な本屋さんが多数載っていて、とっておきの1冊を探しに出かけたくなること必至。
「旅したくなる本屋さん」として旅の本屋のまど、BOOK246も紹介されていて、同じページには『インドホリック』もちらっと登場しています。
2010.11.9
旅本カフェ、そんなのが出来たらいいなぁと思っている一人です。 私の本棚も旅の本ばかり…。
どうしてもそうなってしまうんですね。(笑)
浜井さんの一連の「屋台」本などは大好きです。
ご紹介の OZマガジンに知り合いの店が載っています。 神楽坂のキイトス茶房です。 本がいっぱいあるいいカフェですよ~。
■霧のまちさん
旅本カフェ、いいですね!
ぜひ実現して欲しいです、常連になりますので(笑)。
神楽坂はツボなお店が多くて好きです。キイトス茶房もぜひ行ってみます!
ご紹介ありがとうございます。
さっそく読んでくださってうれしいです。
私のブログでもそのうち、旅音さんの本、ご紹介しますね。
■chokiさん
表紙の猫ちゃんの訃報、驚きました。
高齢だけれど、こんなにしゃんとして美しいポーズをしているから、まだまだ長生きするのではと思っていたのですが……。
でも『しろねこ』のおかげで素晴らしい思い出ができたと喜んでいるでしょうね、きっと。