特集コンテンツを制作して気分を高めながら心待ちにしていた「オスカー・ニーマイヤー展」がついに始まった。
面白い形の建物が多いからチビオトも楽しめるかな、楽しんでくれるといいなと願いつつ、3人で東京都現代美術館へ向かう。
展示室を目指して移動している途中、なにげなく見下ろした先に広がっていた、イビラプエラ公園の再現スペースの素晴らしいこと!
期待に胸を膨らませながら、いざ中へ。
さまざまなサイズの模型が随所に配されているのだが、とくにインパクトが強かったのはブラジリア大聖堂の湾曲した柱のレプリカ。
部屋の中央にどーんと設置してあって、それ単体でも完成されたオブジェのような存在感を放っていた。
どんな形状になっているのか、どういう風に建物を支えるのかじっくり観察できて、それもまたよかった。
サンフランシスコ・ヂ・アシス教会を見たときも、思わず唸った。
このなめらかな曲線を再現したことももちろんお見事!なのだが、建物背面のタイル画のリアルさといったら。
左が模型、右が実際の建物。同じだ。
実物を見たといううれしさ(プラスちょっぴり優越感)から、チビオト相手に「ここにある模型は本物そっくりですごいよ」と何度も話しかけてしまった。
イビラプエラ公園全景は、圧巻!の一言に尽きる。
空中写真をプリントした絨毯の上に上がって、建物やたくさんの人、木々を踏まないように気をつけながら鑑賞できるから、巨大化した自分が公園内を闊歩しているような、愉快な気分が味わえる。
屈んでMarquise do Parque Ibirapueraの建物をじっくり眺めてみれば、ピロティにはたくさんの人が。
この公園を実際に訪れたとき、確か日曜日だったと思うのだが、散歩する人のあいだをBMXやローラーブレードが行き交い、大変なにぎわいだったことを思い出す。
そういう雰囲気まで感じられる展示に、ひたすら感激しっぱなしだった。
リオデジャネイロ郊外にあるカノアスの自邸。
最寄りのバス停で降りてからの道のりがさっぱりわからず、あちこちで道を確かめ、人気のない山道を延々上って、ようやく辿り着いたっけ。
もともとその場にある岩を活かした建築物で、周囲をガラスに囲まれた室内は別荘というより美術館のような佇まいだった。
写真を撮ること自体はOKだったのだが、それを自身のサイト等で公開することは不可、という書類にサインをしたため、残念ながら特集コンテンツには掲載できず。
そんな事情もあって、この模型に出会えたこと、そしてホンマタカシ氏撮影の写真を間近で見られたことは、なんだかとてもうれしかった。
さて、同時開催中の「きかんしゃトーマスとなかまたち」の展示も見た。
電車好きのチビオトはそれなりにトーマスにも興味を持っていて(でも架空の車両より、日常の足である通勤電車がいちばんの好みである)、ときどきテレビ番組をチェックしている。
そんな彼でも楽しめるのであろうか。
展示室を出てから聞いたところによると「とってもたのしかった!!」とのこと。
メインである貴重な原画には目もくれず、足早に通り過ぎてしまったが、ミニ電車に乗ったり、のんびりくつろげるシアターで絵本を眺めたりというのがよかったみたい。
ま、好きなように楽しむのがアートとの関わり方だと思うので、結果オーライということにしよう。
今回は時間的に厳しくて断念したが、同じく開催中の「おとなもこどもも考える ここはだれの場所?」もとてもよさそうだった。
会田誠氏の作品の件で妙な騒動になってしまったものの、外からチラリと見える展示室内のオブジェは、ワクワクさせられるものだった。
せっかくの機会だったから見ておけばよかったなあ。
東京都現代美術館、この夏のお出かけ候補に、ぜひ!