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縁あって沖縄に行ってきた。
今回は本島北部のやんばると呼ばれるエリアへ、北部広域市町村圏事務組合による「平成26年やんばる観光連携推進事業」の一環としての訪問だった。
沖縄にはこれまで4度訪れたことがあるが、うち3回はやんばるがメインなのだから、よっぽど縁があるらしい。

余談だが、前回は書籍『一度は行ってみたい日本の絶景【聖地編】』の撮影で、前々回は友人からオススメされた宿に泊まってみたくて、レンタカーでやんばるのあちこちを回った。結構知っているつもりでいたのに、それでも今回立ち寄った場所は過去2回とは見事にかぶらず。それだけやんばるは観光資源が豊富ということなのだろう。

初日は「道の駅」許田の観光案内コーナーで、ガイドにおすすめのスポットを教えてもらう。
名物ガイドの高橋さんは、カメラを向けるとすかさず愉快なポーズを何パターンも決めてくれるサービス精神旺盛な方。「ランチで沖縄料理が食べられるユニークなお店は?」とか、「子どもと楽しく遊べそうなビーチは?」という質問に、地図を指し豊富な知識を駆使してあれこれ教えてくれる。パンフレット類もたくさん揃っているし、高速道路の終点となる許田ICを降りてすぐだし、やんばるに来たらぜひ立ち寄っておきたい。

そして、道路を挟んで斜め向かい側にある物産センターでのおみやげ物色も忘れずに。
こちらの道の駅、昨年フォートラベルの「旅行好きが選ぶ 日本全国道の駅トップ20」で見事1位に選ばれた。県内の物産品オンパレードで、雑然としたディスプレイが妙に購買意欲をそそる。さらにアイスクリームや天ぷらといった軽食が気軽に買えるのもうれしい。

夜になってから、やんばる学びの森にチェックイン。
朝、目が覚めてカーテンを開けると、目の前にやんばるの森が広がっていた。この木々はスダジイ(沖縄ではイタジイと呼ぶ)とのこと。

2日目は近くにあるダム湖でのカヌーツアー。
やんばるの生き物についてガイドの山川さんから説明を受け、それからダム湖内まで車で移動して、ライフジャケットを着用後いざ乗船。波が立たないから初心者でも漕ぎやすく、おしゃべりしながらのんびりゆっくり進むことができる。ときどきチビオトもパドルを持ってエッチラオッチラ。
しばらく漕いで腕が重くなってきた頃に、上陸するのによさそうな岩を見つけて一休み。温かいお茶と生姜の葉でくるんで蒸したという蒸しパンのようなお菓子をつまむ。

この足あとはやんばるに生息する飛べない鳥、ヤンバルクイナのもの。丈夫な足で駆け回るからか、力強さを感じる大きな足あと。さすがに近年はばったり遭遇、というのは難しくなったそうだが、こうしてときどきダム湖内にも遊びにやってくるらしい。
3度目のやんばる訪問で、やっと足あとが拝めた。
妙にうれしくなって、ほかにもないかな、と思いながらくまなく探してしまった。

昼過ぎにカヌーを終えたら、アスレチック広場でたっぷり遊ぶ。おなかもかなり空いているだろうに、遊具を前にしたら空腹感はどこへやら。
(その後、急に『おなか空いた……』と電池が切れた)
やんばる学びの森はプログラムも充実しているが、施設自体にも遊ぶところがいっぱいあって、なおかつ無料で利用できる。子連れにはありがたいスポットだ。

午後は紅型(びんがた)体験のため「藤﨑紅型工房」にお邪魔する。
沖縄を代表する伝統工芸のひとつである琉球紅型は、原色の顔料を使って色鮮やかに仕上げるのが特徴だ。
シーサーやデイゴの花、熱帯魚といった沖縄らしいモチーフが描かれた(正確には『型置きした』)小物の中から、好きなものをひとつ選んで染色をしていく。全体の色付けが終わったら、刷毛を使ってぼかすくまどりの工程を経て、アイロンで色止めをして終わり。あとは家に帰ってから糊を洗い流せば、実際に使えるようになる。

せっかくなので、観光スポットだけでなく、集落内もちょっぴり散歩。
安部拝所のガジュマルは名護市指定文化財となっているものの、通りから細い道を少し入ったところにあるため、知る人ぞ知る場所、かもしれない。地元の人に大切に守られている存在なのだろう。

この日は民泊で、一般の方のお宅に泊まり、おいしい手料理をいただいたり、農作業の体験をさせてもらったりする。
翌朝、お世話になっている嶺井さんの畑へ向かい、丹精込めて育てた野菜の収穫を手伝う。じゃがいも、タマネギ、にんじん、大根、しまらっきょう……。幼稚園の遠足でさつまいも掘りはしたことがあったが、こんなにたくさんの種類の土付き野菜に触れたのは初めてのチビオト。
これで野菜好きになってくれたらどんなにうれしいだろう。

畑仕事の後は、目の前の大浦湾で磯遊び。
2月下旬はまだ海水浴シーズンとは言えないけれど、そんなことはお構いなしに、パンツ一丁で嬉々として波打ち際を走るチビオトを見て、今度は海に入れる季節に来てみようかという気分になった。

心尽くしのおもてなしで、とても心地よく過ごすことができた民泊の醍醐味は、限られた時間で地元の人とたっぷりふれあえて、その土地の日常を気軽に体験できることにあるだろう。
ホテルで気ままに過ごすのも好きだけれど、親戚の家に遊びにきたみたいな感覚であたたかく迎えてもらうのが、こんなにもうれしく感じるとは思わなかった。
正味半日程度しかいられなかったというのに、チビオトは奥様が大好きになって、遊ぼう遊ぼうと終始追いかけていた。
もしやんばる再訪が叶ったら「次回も民泊で!」と思えるほど、大満足のステイだった。

充実の2泊3日のツアーでやんばるをたっぷり満喫し、冬の寒さが残る鎌倉に戻る。
帰ってから早々に紅型の仕上げに着手する。うん、なかなかいい感じにできたかな。

民泊についてのお問い合わせは

久志地域交流推進協議会
担当:090‐9785‐7832
住所:名護市字大浦465‐7(わんさか大浦パーク内)
※一般の観光客のほか、修学旅行生の受け入れも可能。

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