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今月21日、蓼科湖畔にオープンしたアウトドアライフが気軽に楽しめる宿泊施設HYTTERに取材で行ってきた。
温泉旅館をリノベーションしたLODGE、芝生エリアを取り囲むように立ち並ぶCABIN、登山客に喜ばれそうなドミトリーと、幅広い客層が利用できる素晴らしいところだった。
詳しくはBE-PALのサイトに寄稿したので、そちらをご覧いただきたい。

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さて、蓼科への経路をGoogle Mapで確認していたときに、目的地近くに星マークがいくつかあるのに気づいた。
普段から、本やネットで見つけた気になる場所や、人から「あそこよかったよ」と教えてもらったところに、Google Mapで★をつけている。
スケジュールの都合であまり多くの時間は割くことはできないものの、少し回り道をすれば、2カ所は行けそうだとわかった。

ひとつは、建築家・建築史家の藤森照信が建てた「高過庵(たかすぎあん)」という茶室。
もはやいつ星をつけたのか思い出せないぐらい、ずいぶん前から行ってみたいと思っていたのだが、チビオトに写真を見せながら「ここに寄ろうかと思うんだけど」と話すと、興味を持ったようですんなり寄り道先として決定した。

ナビ代わりのGoogle Mapの案内に従って走っていると、「こんな細い道を行くの?」という道路を進め、との音声が流れた。
渋滞回避のためか、ときどき住宅街を攻めるルートが表示されるから、そのパターンだろうか。
と思ったら、ヘンテコな物体が宙に浮かんでいるのが見えて、家族一同「おおっ!!」と声を上げる。
ツリーハウスのような「高過庵」は2004年に制作された茶室で、アメリカのTime誌に「世界でもっとも危険な建物トップ10」に選ばれたという。
すぐその脇には、半分地中に埋まっている「低過庵(ひくすぎあん)」もあった。こちらは2017年完成。
先ほどちらっと見えたのは、2011年にこの地に移された「空飛ぶ泥舟」だった。

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実際に訪れたときには写真では伝わらない、その場に行ったからこそ感じ得るものに出会いたいと思う。
そのくせ、写真を撮るときには、そういう雰囲気も含めて撮れないかと腐心する。
矛盾しているかもしれないけれど、感覚に訴えてくる“何か”のために、あちこち出かけているのかもしれない。
この茶室郡は、そんなことを思わせる場所だった。
取材が控えていたので、ほんのわずかな時間しか滞在できなかったが、行くことができてよかった。

もうひとつは、山梨県北杜市にある自然屋。山菜やきのこ、川魚など、八ヶ岳の自然の恵みを使った定食が人気の店だ。
店主のしんちゃんと出会ったのは、もう18年も前のこと。
大学の卒業旅行で、雲南省、四川省、チベット自治区、ネパール、インドを回ってきて、最後の地バンコクでのことだった。
インドで仲良くなった友人とバンコクで再会し、その友人として紹介され、いっしょにカオサン近くでタイスキを食べた。
陽気なしんちゃんとは、初対面なのにやたらと会話が弾み、すごく楽しい夜を過ごしたのを覚えている。
日本に戻ってからは、同じ神奈川在住ということもあり何度か会うこともあったが、いつのまにか八ヶ岳に引っ越して、お店を始めていた。
いつか行きたいと思いつつ、気がつけば10年経過……。

蓼科からは八ヶ岳エコーラインを通って約1時間。周囲に畑の広がる広い敷地にある、立派な門が印象的な店構えに驚いた。
10数年ぶりに会ったしんちゃんは全然変わっていなくて、それもまたビックリだった。

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ほかのお客さんも多かったため、厨房にいるしんちゃん、奥様のりえさんと少しおしゃべりをしたら、あとは席で料理が来るのを待つ。
偏食のチビオトはあまり食べないかもしれないので、大人用に頼んだイワナ刺身定食と、イワナ唐揚げ定食をシェアすることに。
すべての定食には、野菜と山菜をたっぷり使ったおかずのプレートがついてくるのだが、見た目に美しく、もちろん味も素晴らしくて、朝食を食べすぎたから完食できないかも……、という心配は杞憂に終わった。
夏限定の冷やしきのこ汁が、これまたさっぱりしていておいしい。
そして、お待ちかねのメインディッシュが登場。
唐揚げは骨までサクサクでクリスピー。頭からしっぽまで、全部食べられる。
そしてイワナの刺身。川魚は淡白な味のイメージがあったけれど、ほどよく脂が乗っていて、そのままでもよし、ご飯といっしょに食べてもよし。
試しに、サーモンの刺身が大好きなチビオトに「味がそっくりでおいしいよ」と一口食べさせると、自ら箸を持って何切れも頬張っていた。

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私たちが食べ終えてからも、ひっきりなしにお客さんがやってくる。
ゆっくり再会を喜びたいところだけれど、記念撮影をささっと済ませ、再訪を約束してお店を出た。
駐車場に停まっている車のナンバーを見ると、遠方からやってきた人も多く、人気ぶりが伺えた。

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星マークをつけたところは世界中に点在していて、現在もどんどん増えていっている。
それに比べて、実際に訪れる機会のなんと少ないことよ。
でも、今回のように隙あらば訪問をして、実際に見てどんなことを思ったのか、ちゃんと残していきたいと思った。

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